そう思いながらも携帯で時間を確認するともう出なくては遅刻してしまう時間になっていた。


モモを最後に一撫でし、名残惜しい気持ちを抑えてゆっくりと立ち上がる。





『いってきます』








ここから一歩踏み出せば新しい生活が始まる。


過去を隠すための、偽りの生活が……。



そして一歩を……踏み出した。



これからどんな生活を送ることになるのかもわからないまま。


これからどんな人達に出会うのか、そんなことがわかるはずもなく……。


出会った彼らが運命を大きく左右させる存在になることも…わからないまま……。