“想い”なんてものは、頭で制御できるほど、便利にはつくられてなくて。



一度口にしてしまえば、どんどん溢れて……



……全然、止まってくれないんだ。




「真央さんが好きなんです……愛してるんです…。
忘れたくないんです……昨夜のぬくもりを、覚えていたいんです…」



「爽介くん…」



「俺じゃダメですか…?
俺のこと嫌いですか…?」



「そんなわけない…」



「……え…?」




真央さんは俺の手をとると、



それを自分の頬に持っていく。




「ま…お、さん…?」




当然、俺の手は真央さんの頬に触れていて。



真央さんは憂いを帯びた瞳で、俺を見上げた。