「え、なんのこと?」



あたしには何のことだか、さっぱりわからない。



「ふざけんな、紀香ちゃんの好きな人とったくせに」



紀香ちゃんの取り巻きの一人の女の子かあたしにそう言い放つ。



当時紀香ちゃんの好きな人とあたしは隣の席で分からない所は教え合っていた。




その風景が紀香ちゃんにとっては気に食わなかったのだろう。




「紀香ちゃんかわいそー」




「あんたがたくさん話すからいけないのよ」




周りの事たちは泣いた紀香ちゃんを慰めながら口々にそう言う。




しかも、当時その男の子はあたしのことが好きだったらしく、紀香ちゃんの恨みを買ってしまった。