「…元旦那がなくなったんですもの。嫌な思い出だけじゃないしいい思い出も沢山あった」


そう言うと紺野君のお母さんの目が徐々に赤くなっていった。


そうだよね。元旦那といっても一緒にいたくて結婚した人なんだよね。


「…なんであの時、俺を置いてったんだよ…」


ボソッと紺野君が言う。


「…親権問題になって私は離婚調停で負けてしまったの」


サラッとすごいことを言ったのは気のせい…?


「…聞いてないぞ?」


「小さい貴方に心配をかけたくなかったんでしょうね。それに私は家を出た後彼とも何回か会って翔太の写真を貰っているわ」


そう言うとバックから手帳を取り出し写真を見せた。


そこには幼い時の紺野君が映っていた。


狂った歯車が解き明かされたんだ。


紺野君は何も言えずボーとしていた。