「…?逢瀬?」


そう言って私に手を伸ばそうした時…



プルルルル…プルルルル


運がいいのか悪いのか紺野君のポケットから携帯が鳴る音がした。


「…とごめん逢瀬」


そう言って自分の持っていたペットボトルを私に渡すと電話に出た。


「…何?俺はあんたに用事ない」


誰かと電話している紺野君。


相手は誰かわからないけどなんだかひどく冷たい声のような気がした。


「…え?」


そういうと紺野君の顔は怒りからどんどん青ざめて行く。


どうかしたんだろうか?


明らかに何かあったような感じだった。


「うん、分かった。行く」


そういうと電話を切り


「ごめん逢瀬、俺帰らなきゃいけなくなった。飲み物買ったらあいつらのところ持っててもらえる?」


…え?

何か急用ぽい。


私はなんでか聞かないままレジに向かった紺野君を追った。