好きなんて言えないよ。

そして、一つため息をついてから、




「あたしの席と交換してよーっ!」




そう言って駄々をこね始めた。




あたしは、そんな梨恋ちゃんをなだめながら




「でも、あそこの席は夜野(ヤノ)君の隣でしょー?だったらいいじゃん」




夜野君とは同じクラスのイケメン男子でりくらクラスに溶け込まない一匹狼的な人。




確かに、顔は整っていて周りの女子達は結構熱を上げている。




けど、あたしは少し苦手なのだ。




あたしがそう言うと梨恋ちゃんは





「別に好きって訳じゃないしー。目の保養といいますか」




そう言ってつまらなそうにした。