「ごめんな。いきなりこんなこと言って。でも伝えたかった。好きだって」


こんな顔の間々原君を私は初めて見たような気がする。


自然と嫌じゃなかった。


むしろ嬉しかった。



誰かに好意を持たれるってこんな気持ちになるんだって初めて知った。



「でも、わたし紺野君が…」


ずっと好きかもしれないよ。



そう言おうとした時思いっきり手を引っ張られて私は間々原君の腕の中にいた。


「そうなったらしょうがない。でも今は俺も見てみて。意外と良い男かもよ」



…ドキッ



思わず私の胸がなる。



間々原君はずるいよ。


こんな時にこんな事をしてくるなんて。



私は間々原君を押して離れた。


何も言えなくなって無我夢中で校舎の昇降口へと向かう。


なんで、なんであんなことしてきたの。