好きなんて言えないよ。

「あっ…」


私が言葉を言おうときた時紺野君はいきなり立ち上がり目を丸くしてさっき来た女の人のところへ向かっていた。



…えっ?どーしたんだろう?



お知り合いの方だったのかな?



なんとなく気になってみているとその女の人に私のところまで聞こえるような声で紺野君はいきなり怒鳴った。



「なんで…なんできたんだよ…!」



その女の人は紺野君に申し訳なさそうな顔をしている。



え、なに?


修羅場?


見た目からすると私たちの世代の親ぐらいの年齢だろうか?


そう考えてみると…、お母さん??



お母さんらしき人は紺野君に申し訳なさそうな顔をしながら墓参りもせず墓地を後にした。



紺野君もそれを見送り私のところへ戻ってきた。



「ごめんな、いきなり驚かせて」



さっきとは違い優しい声で私にそう言うとまた私の横に腰をかけた。