好きなんて言えないよ。

私が手を合わし終わると隣に男の子が立っていた。



「逢瀬、久しぶりだね」



ニコッといつものように微笑むのは大好きで会いたかった紺野君。



「え、なんでいるの?」



ここは墓地。



幻覚…?


わたしの頭の中にハテナがいっぱい浮かんでいると紺野君が察したように答えてくれた。



「幻覚じゃないからね?俺も墓参りしにきたんだよ。去年他界した父親の」



紺野君はふわっとした笑顔をしながら言うけど声は切なそうだ。



「そんな顔するなってー、黙ってたわけじゃなかったし」


「…あ、ごめん」



私がそう言うと気まずそうに私の横に座った。



「逢瀬はなんでここにいるの?」