○渡月橋東詰め、夜
   6人のワゴンが渡月橋の東詰めに来る。
   そのまま通り過ぎて川岸に止まる。

○車内、夜
   6人、ずっと橋を見つめている。
高田「12時回ると人っ子ひとりいてへんね」
木村「夜はもともと暗くて人がいないところ」
原田「それにしても川もが桜で真っ白だ」
山本「今夜の嵐で全部散る。桜の花びらで幾重にも散り重なる」
高田「今は静かやけど」
木村「時々突風が吹くわ」
山本「では二手に分かれて探りにいくか。向こう岸を原田、高田、太一。
 こちら岸を俺と木村、亜紀で。30分でここにもどる。OK?」
皆「OK」
原田「俺たち先に行くワ」
   原田、高田、太一、車から下りる。

○渡月橋、夜
   橋を渡る原田、高田、太一。
○同、西詰め、夜
   西詰めに来る3人、立ち止まりしゃがむ。
   原田、目配りをしながら、
原田「しー、誰かあそこに人がいる」

○中ノ島、橋下、夜
   テントが見灯がもれている。
原田「太一、そっと見て来い」
太一「OK」
   太一、テントに忍び寄る。

○テント、外、夜
   テントの中をそっと覗き込む太一。
○テントの中、夜
   狭いテントの中に一升瓶が二本ある。
   出羽と亀山が泥酔している。
出羽「最後の花見や。亀山様子見て来い」
亀山「はい、様子を見てきます、先輩」
出羽「警部と呼びなさい」
亀山「はい、警部殿。では」
   亀山、立ち上がろうとする。
   太一、すばやく身を隠す。

○テント、外、夜
   太一、駆け上がり原田のところへ戻る。
   3人、橋の向こうに隠れる。
   亀山、テントを出て大きくあくびをし、
   周りを確かめて立小便をする。

○渡月橋東詰め、橋下、夜
   山本、木村、亜紀が橋下から見上げている。
   亜紀が何かに気づく。
亜紀「山本さん、これなに?」
山本「なに?」
木村「これチョークの跡よ」
山本「くのいち、くのいち。女忍者?」
   亜紀、向こう側をライトで探っている。
亜紀「こっちにもある。へのに」
山本「へのに?」
木村「大きなちょうつがいの所よ」
山本「ちょうつがい?そうかなるほど。
 急いで向こう岸も調べてみよう」
   3人、渡月橋を渡る。