変面「分かっている。絶対にそれはない。もし
 失敗した時は、俺がこの芸術を止める時だ」
原田「分かった。よく分かった。昔のままだなお前も」

   楽しそうに笑う二人。

○坂道
   坂道を降りる変面。
   原田を担いだ忍者達が続く。
   向こうに色んな像や風変わりな建物が見える。

原田「ちょっと止まってくれ」
   皆止まる。
変面「お、どうした?もうすぐ終わる」

原田「もうすっごく眠くてしょうがない。最後に
 教えてくれ。あの像や建物は何だ?」

変面「あああれか。あれは俺の作品群だ。
 ここからは見えないが、まだたくさんある」
原田「あの自由の女神も、あのお城もか?」

変面「ああそうだ」
原田「ひょっとして?」

変面「そのとおり。じっくりと時間をかけて、
 芸術とはそういうもんだ。そもそも1度しかない
 人生をどう生き切るか、天才はその才能に
 身も心も破れそうになる、つまり・・・あれっ?」

原田「(おおいびき)グーグー」
   原田、熟睡している。
   変面、原田の首にペンダントをかける。

変面「アチャ!」
   変面、原田に敬礼をする。
忍者達「アチャ!」
   忍者達、原田を担いで坂を下りる。

○原田のアパート、外、夜
   ランドクルーザーが1台来て止まる。
   忍者が飛び降りベッドを引き出す。

○同、廊下、夜
   ベッドを担いでくる忍者二人。
   そのまま原田の部屋に入る。

○原田のアパート、外、夜
   走り去るランドクルーザー。

   X   X   X

   白々と夜が明けてくる。