とりあえず、雨が降っているんだろうと思った。
さっきから顔に水が当たるし、服も心なしか重い。けど呼吸はそれなりにできるから海の底って訳ではなさそうだ。

……だからと言って、安心はできねぇんだけど。




「……痛ぇ」



やっとの思いで口から出た言葉がそれだった。
誰に聞かせるわけでもない、只の独り言だ。



激痛に耐えながら首を動かすと、どうやらここはゴミ捨て場らしいという事がわかった。