譲は僕のものじゃない。
僕はそんな当たり前のことをようやく左乃さんに気付かされた。
でも僕は意地が悪いから、なかなか素直になれないと思う。
でも、どんな人が君のことを好いていても、君は僕の傍にいてほしんだ。
そうしたら、君が辛く悲しいとき、いつでもその涙を拭ってあげられる。
いつでも、君の傍で君を支えることができるのに。
僕は……………負けないからね。
君の心がどんなに揺れ動こうとも、動いても動いても、でも僕に振り向いてもらいたい。
それにいつか、胡弓を弾いてくれるって言ったよね。
僕以外の誰かに聞かせたら、僕はおかしくなるかもしれないな。
結局、皆が酔いつぶれた晩、総司はただ、行くあてのない想いを募らせていた。

