それから数日後。








譲たちは、やはり芹沢とのわだかまりが消えないまま、無事に京の都にある壬生村というところに辿り着いた。









これからは、前川さんと八木さんの邸でお世話になる。











譲は、芹沢に女だと初見で見抜かれたことがあまりにも衝撃的すぎて、今でも軽い放心状態であった。










自分の部屋を近藤さんに案内されたことも、荷物の整理をしたことも半分覚えておらず、京に着いたその日は、ただうつらうつらと、縁側で無駄な一日を過ごしていた。









夕餉を食べる気にもなれず、平助の夕餉の誘いを断って、譲は頭が真っ白なまま、縁側で仰向けになっていた。









まだ、自分が京にいるという実感が湧かない。








胡弓でも弾こうかと、上半身を起こそうとしたが、それをすることすら今日は億劫(おっくう)で、やはり横になる。







そうして、とりとめのない思いを巡らせていると、足音が響いてきた。