すると、バタバタと廊下を走る音が近付いてきて、音が止まったかと思うと、厨の戸が勢いよく開けられた。
噂をすればなんとやらとよく言うが、本当にその通りだ。
「悪ぃ……昨日いろいろあってよ」
申し訳なさそうに髪を掻きながら入ってきた原田に、譲は首を振った。
「いいわよ。どうせ、新八さんと己の極限を超えて呑んできたんでしょ?もう慣れっこだから」
「いやいや。何度も言うが、極限を超えて呑んでつぶれるのは、新八だからな!俺はあいつの介抱であまり寝られなかったから、遅れちまったんだ!」
必死になって譲の意見を否定する原田に、譲はふふっと笑う。
「分かってる。新八さんのことはよーく存じ上げてます」
「だよな。話がはやい」

