***************** 総司の心にはびこっていた氷塊が溶けていく。 目頭が熱くなってきて、涙を頬が伝った。 そうか……。 そうか、自分は独りじゃない。 総司は、目の前で泣きながら思いを投げかける譲の手を握り返した。 自分のために涙を流している譲はとても綺麗で、触れれば消えてしまうのではないかと思った。 そして何より、その涙が嬉しかった。