幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜




*****************




総司の心にはびこっていた氷塊が溶けていく。





目頭が熱くなってきて、涙を頬が伝った。



そうか……。



そうか、自分は独りじゃない。




総司は、目の前で泣きながら思いを投げかける譲の手を握り返した。




自分のために涙を流している譲はとても綺麗で、触れれば消えてしまうのではないかと思った。










そして何より、その涙が嬉しかった。