「代金の取立てってことですよね⁉︎
すみません!絶対用意させますので!」
譲がペコペコと頭を下げていると、お梅さんが桶の水を引き寄せて、何かをし始めた。
何をしているのだろうと気になり顔を上げると、突然頬に冷たい手拭いを当てられた。
冷たい感触にぞくりと鳥肌がたち、譲は目を細める。
だが先ほどまでの頬の痛みがすっと消えていくような気がした。
そこで譲はお梅さんの意図を理解する。
ゆっくりと頬まで手を伸ばし、手拭いを押さえると、お梅さんの綺麗な指が離れた。
「ごめんなさい。さっき泣いていたし、頬も腫れていたからつい」
お梅さんの優しさに感情を全て吐露してしまいそうだった。
先ほどのことが頭に鮮明に蘇ってきて、譲は涙をこらえる。
今の自分の情けない顔を見られたくなくて、顔を伏せる。すると、お梅さんが背中をさすってくれた。
「辛いときは泣きなさい。噂で聞いたけど、ここは男所帯なんでしょう?色々と大変なこともあると思うわ。私でよければいつでも相談にのるわ」

