この時、譲と総司は気付きもしなかった。 ある視線が、自分たちを見つめていることに。 そしてその人物が災いをもたらすことも知らずに……。 それぞれの思いは複雑に交差し、そして嵐は大きなうねりとともにやってくる。 このささやかな時が、やがて音を立てて壊れていくことなど、予想だにしなかったのである。