「ど……どうしたのさ」
総司らしくない、戸惑いを含んだ渇いた笑い。
譲は総司に体を離されるのが怖くて、その袖を握った。
「あと少し……」
今にも消え入りそうなか細い声で譲は訴える。
「このままがいい」
小さな切望を受け入れてくれたのか、総司は何も言わずに、髪を撫でてくれた。
その気遣いが胸にしみてきて、譲は何度も心の中で総司に感謝の言葉を呟いた。
(総司………)
総司はいつも優しい。
昔から、情緒不安定になったときや、急に虚しさが沸き起こってきたときなど、総司はいつもこうして黙って、自分を受け入れてくれた。
なのに……。
自分は総司のために何ができているのだろうか。

