幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜










すると、遅れて芹沢さんとその側近的な立場にいる、新見錦が現れた。







さらにその後ろから、譲たちより一足遅くこの京に上京してきた殿内義雄という男が土方さん、芹沢さんたちと同じ上座に着く。







やがて広間が静粛になると、ごほんと咳払いをしてから、近藤さんが口を開いた。










「みなにこうして集まってもらったのは他でもない。この壬生浪士組は、京都守護職である会津藩預かりとなった」







続々と広間で歓声が上がる。








これには左乃さんや新八さんたちの顔にも笑みが浮かんでいた。








そう。これまでに浪士組は独自に京の見回りを行っていた。







手柄を立てておいて損はないからだ。







しかし、つい先日のこと。








左乃さんと新八さんが二人で見回りに出かけていたときのこと、尊皇攘夷を掲げる長州の浪士を見つけたらしいが、その者が逃げた旅籠におしかけると、そこの主人に取り合ってもらえなかったという。








どこの藩の命令で動いているのかも知れん奴に教えることは何もないと突っ返されたのだ。







以来、近藤さんたちは芹沢さんの伝を頼って、会津藩と話し合いをしていた。







その結果が恵まれたのだ。









「ふん、これも全て、芹沢殿のおかげです」






ちらりと土方さんたちを見ながら、新見が呟く。






まるで、これはお前たちの手柄ではないと主張するような物言いだった。







「全くですな」






殿内もこの話に乗って、芹沢さんを高く持ち上げる。







「ふん、今日は無礼講だ。今夜は島原で酒宴でも開くとしよう。それぐらいはよかろう?土方」








土方さんは、会津藩預かりになったことの余韻が残っているのか、少し笑みを残したまま、芹沢さんに頷きを返した。









「ああ。かまわねえ」








そうして、集会は幕を閉じた。