平助が己の乱心と戦っているころ、譲は自室に戻って一人着替えていた。 まだ、心臓が不均等に脈を打っている。 あのような大人びた平助を見たのは初めてだった。 (……気をつけなきゃ) 今回は平助は機転を利かせて、女姿だった自分を隠してくれたからよかったものの、これが他の人の目に触れていたかと思うと鳥肌がたつ。 嫌な悪寒が背筋を撫でた気がして、譲はその寒さを振り払うかのように首を振ると、朝餉の時刻だったことを思い出し、いそいそと部屋を出た。