幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜










だが平助の説得も虚しく、譲の平助の本心は伝わっていないようであった。譲の表情がそれを物語っている。









平助はまともに目をあわせられなかった。








(これはだめだろう……!!)









寝間着として譲が着用しているのは長襦袢。たったそれだけだった。









そして、見慣れない絹のように長い髪が時折吹く風になびき、譲の美しさをより際立たせる。








そして、いかに彼女が無防備かということも。







(無自覚なのにもほどが……)








平助は未だに譲から目を逸らしたまま、自分の口元を押さえる。







不覚にも、こんな姿を見られたのが自分でよかったと思っている自分がいる。








こんな姿、他の誰にも見せたくない。








すると、遠くからはしゃぎながら笑いあう声が聞こえた。









その声はどんどん近付いてきて、どうやら先ほど一緒に道場で稽古していた連中だった。









そして、ふとあることを連想する。






気がつけば行動に移していた。





「お……おい!ちょっとこっちに来い!」






半ば強引に譲の腕を掴み、平助はそのままなぜか成り行きで自分の部屋に連れ込んでしまった。










譲は平助の意外な行動に、心が追いつかず、たじたじとしてついていくだけだった。