幕末の神様〜桜まといし龍の姫〜
























芹沢たち四人がまだ角屋にいる頃。









譲は女の格好をしたまま、八木邸まで戻ってきていた。








誰にも見つからないように周囲を警戒しながら、自分の部屋に入る。








さっさと手際よく布団を敷くと、倒れこむように譲は横になった。









(疲れたーー)






ほとんど緊張による疲れだったが、でも成果はあった。







明日からは【角屋】で働くことになる。







また酔っ払いたちに酌をしたり、胡弓を弾かなくてはらならいのだと思うと正直嫌気がさしたが、みんなのことを思うと乗り切れる気がした。










そのまま睡魔が譲を襲うが、でも寝ていられなかった。







今の――女の格好で寝るのはまずいと思った。







着替えねばとだるい身体を起こして、着物を脱ぎ、寝巻き姿になる。







そういえば………。







横になろうとした寸前で、譲は角屋にいた三人のことを思い出す。