そのまま家を出て走る。


今はとにかくあの家から離れたい。





『あんたなんていなければ良かった』




さっきのお姉ちゃんの言葉が、ずっと頭の中で繰り返される。


そんなこと思ってたんだ。

お姉ちゃんにとって、あたしは邪魔な存在でしかなかったんだね。



お姉ちゃんとは仲良しだと思ってたのに、それはあたしだけだったんだ。



「うっ……ヒック……」


涙が止まらない。


頬を伝う涙は拭っても拭っても、溢れ出してくる。




家で聞こえた大きな音は、お皿が割れたような音だった。



多分、いや絶対そうだ。


お父さんとお母さんがケンカして、お皿を割ったんだ……。