『結愛は誰にも渡さんぞ!』
『永遠くんはとってもいい子ですよ』
『それでも渡さん!お母さんは分かってないなぁ。俺が結愛を守らないといけないんだ!!』
『永遠くんが守ってくれますよ』
そんなやり取りを繰り返していた。
あたしはあの時とは全く違う言い合いを聞いて、静かに涙を流していた。
これで、全て元通りになったよ。
ううん。
前よりももっと、家族の仲が深まった。
あたし達家族の絆が、こんなにも深まったのは永遠のおかげなんだ。
永遠がいなかったら、家族はバラバラなままだった。
あたしは洗面所に行って、お父さんに言われた寝癖を直す。
もう、季節は冬に入ってきた。
マフラーと手袋が手放せない。
あたしは朝食を食べて、学校に行く準備をする。