全てがまだ鮮明に思い出される。
手首から流れ出す真っ赤な血。
あの時の冷めた感情。
冷たい雨の中、突然現れた温かい存在。
きっと一生忘れない。
「ふぁ~」
「あ、起きた?」
まだ眠そうに大きな欠伸をしながら、伸びをしている永遠。
あたしはと言うと、苦手な料理を頑張って朝食作り。
泊めさせてもらってるのに、何もしないっていうのはあたし自身許せない。
ただの居候じゃなくて、役に立つ居候になりたいの。
「おはよう。もうご飯できてるよ」
「ん……」
一緒に暮らしてて分かったけど、永遠は朝は弱いみたい。
いつも眠そうに目を細めて起きてくる。