[完]バスケ王子に恋をして。

コートにあがって周りを見渡すと、咲羅と奈未がいた。

奈未…。見てるんだ…。

少し照れ笑いして跳ねながらスタートを待った。

「ピーー」

先輩がボールを取って俺にパスすると、俺はドリブルをしながら次々先輩を抜かしていきシュートした。

でも体が少しなまっていてあまり動かない。

クソッ……毎日練習したのに……。

そう思いながらも俺はシュートを入れ続けた。

囲まれてチームの人にパスすると相手チームにボールを取られた。

「クソッ」

俺は急いで戻って、シュートしようとしている先輩を高い背を生かして阻止する。

そしてまた、ゴールまでボールを持って行きシュートを入れた。

それを何回も繰り返した。

結局俺らのチームは相手に1点も渡さないで圧勝した。


「すげーな赤織!!びっくりしたよ」

次々に先輩方に誉められた。

「ありがとうございます」

俺はコートを出た。

チラッと日向を見るとグーとポーズしてニカッと笑っていた。