「奈未欲しがってただろ?」

私は思わず春樹に抱きついた。

「ありがとう!!本当にありがとう!!」
「ほら、触らなくていいのか?」
「うん、触る!!」

私はもう一度それに目を移した。

そこには……私がずっと欲しかった黒猫の子猫。それも5匹も!!

そしてそっと1匹の子猫を撫でる。

「わー…ふわふわ」

ずっと欲しかったんだー……

「こいつらみんな兄弟なんだぞ?しかも保健所でもらってきた」
「……え?保健所?」
「捨てられてたんだとよ。あと3日遅かったら殺処分されてたってよ」
「そんな……」

私はそっと5匹の子猫を抱きかかえた。

「よかったね、助かって……これから私達がちゃんと育てるからね?」

そう言ってミャーミャー鳴く子猫にそっと笑いかけた。

「……あれ?」

1匹の猫に何か光る物が見えた。

他の猫をゆっくりと下ろしてその子猫を見る。

何やら首からぶら下げているようだ。

「なんだろ?」

そう思って春樹を見てみると春樹は私からその子猫を奪ってその首からぶら下がっているものを手に取った。

「奈未目閉じて?」
「え?なんで?」
「いいから」

私は言われるがままに目を閉じた。

「もういいよ?」

しばらくすると春樹の声が聞こえた。

私はゆっくりと目を開けて部屋を見渡してびっくりした。

「……え?」

そこにはさっきの子猫達がベッドの上でハートを作っていたのだ。

「奈未」
「え?あ、はい」

驚きすぎて変になってる私。

「指見てごらん?」
「え?指?」

私は不思議に思いながら自分の指を見てみると……

「……っ!!」