「ただいまー」

元気良く春樹の背中から声を出す。

「うるさ……耳元で声出すなよ、大きすぎ」
「知りませんー!!」
「だからうるさいって」

そんな春樹を後にして私はキッチンへと向かう。

「今日はオムライスが食べたいんだよなーあ、春樹今日オムライスでもっキャッ!!」

私の思いっきり後ろに引っ張られた。

「え?何?」

そして後ろに春樹の体温が感じられる。

「大事な話あるって言ったじゃん」

耳元でとろけるように言われて何だか体が熱い。

「だ、大事な話って?」
「何動揺してんの?」
「し、してないよ?」

なんで春樹は見破るのか……

「ふーん……つか、こっち向いて?それじゃないと話せないから」
「む、無理」
「なんで?」

う……鋭いところを刺されると何も言えない。

「顔赤くなってるから恥ずかしい……」
「だと思った。けど見せて?それでもいいから本当に大事な話なんだ」

そんなこと言われると振り返るしかできない。

私はゆっくりと振り返って春樹を見る。

「俺奈未がいなくなってわかったんだ。奈未がいないと何も出来ない」
「……え?」
「海斗とバスケやったんだ。その時わかったんだ。奈未がいないとバスケも出来なくなったんだって」
「そんなこと……」

だって私と出会う前から春樹はバスケをずっとやってきて技術だってあったでしょ?

「奈未に依存してるんだ」
「へ?」
「俺奈未がいなくなると無意識に何も出来なくなるんだ。それくらい奈未は俺にとって重要なんだ」
「そうなの……?何かありがとう」

よくわからないからそう言っておく。

「それで奈未の要望を答えてあげようと思ってさ?」
「ん?どうゆうこと?」

私の要望?

すると春樹はニコッと笑ってゆっくりと私の部屋を開ける。

「……え……嘘……!!」

私はあるものを見て思わず春樹を見た。