「だって同棲までしてるならいつ結婚してもいいくらいでしょー?」

え、そうなの?

まぁ、言われてみればそうだね……

「で、いつ式は開くの?」
「へ!?」

真理亜はニコニコして私をジーッと見つめる

いや、式も何もまだ結婚するって決まってないし……

「まさかあたしを呼ばないなんてことないわよね?」

ギロリと私を睨みつける真理亜はとても恐ろしい。

「いや、あのね?私達まだ結婚後とか決めてないんだ……よね」

苦笑いして真理亜をごまかす。

「え?そうなの?でも結婚しないとおかしいよ」
「え?なんで?」
「だってもう何年付き合ってるの?めっちゃ長い訳じゃん?こんなに長く付き合ってても結婚しないなんて二人が相手を思ってないって他人から思われちゃうよ?」

真剣なまなざしに私の心は一歩下がる。

「え、そんなことないんじゃない?あははは」

この言葉は私自身への暗示。

本当は結構グサッときてるんだけどね……

「しかもNANAと王子はファンの子からも結婚の声が上がってるんだから早く検討したほうがいいよ?」

その恐ろしいくらいキツいまなざしに私は

「……はい」

としか言えなかった。



そしてトボトボ家に帰りご飯支度をしようと思っていると春樹が帰宅。

そして私はいつもと違うように甘えてみた……。

これで答えてくれれば私達はきちんと相手のことを思ってるよね?

だけど……春樹は私の心の長いを少ししか読み取ってくれなかった。

あたりまえだよね……何も言葉にしてないんだから……

けどね、私は私自身への怒りを春樹にぶつけて家を出てきた。

ドアが閉まって思ったのは後悔。

「私真理亜にあんなこと言って自分が出来てないじゃん……」

そして私はそのままマンションの中のエレベーターのボタンを押して羽切家にたどり着き現在にあたる。

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