「……は?」
「やっぱり春樹はダメだなー……」

そう言って海斗は水を口に加える。

その言葉に俺は怒りを覚えた。

「どういう意味だよ」
「え?あぁ、春樹もやっぱり気持ちでプレーが変わるんだなーと思ってさ?」

気持ちでプレーが変わる……?

俺はいつも真面目にやってるし俺は今日の調子はいつもとそれほど変わらない。

「なぁ春樹……考えてみろよ」

いきなり真剣な顔と声をする海斗を思わず見る。

「春樹が今までバスケが上手くなる時……いつも何を思ってた?」
「……へ?」
「春樹がバスケをしている時いつもそばで応援してくれてたのは……誰だった?」

海斗はまっすぐ俺の目を見て取れ問いかけるように話す。

「それって……奈未なんじゃねーの?」

そうだ……

俺はいつも奈未のことを思ってバスケをやってた。

奈未と離れていても奈未を支えれるように強くなる為に……

「けど……今の春樹のバスケに奈未はいない」

海斗の低い声で目の前が一気に暗くなる。

俺の中に……奈未がいない……

「今をお前には隙が多すぎる……これなら高校の時のほうが上手かったぞ?」

そんなことを言われるとショックを受ける。

俺は……高校生の時から何も成長してないのか……?

「春樹」

海斗は立ち上がって俺の横に来る。

「わかってんじゃねーの?その原因」

そんなのわかってる。

俺はずっとずっと……ずっと今まで

「奈未に依存してるんだろ?」

俺はきっと奈未がいないとバスケが出来なくなったんだ……