「本当は自分の子どもみたいんじゃねーの?」
「……」
「咲羅……俺の顔伺ってたよな?それで産まないって決めたんじゃねーの?」

咲羅の意志じゃないなら……俺だって何かと考える……

「そうだよ……本当にかわいかった……凄いかわいかった……この子の顔見たいって思ったよ……けど……海斗が嫌なら私は産まない……」
「とか言って本当は無理して産むつもりなんじゃねーの?」
「……」

咲羅は人に迷惑掛けないように自分のことをやるんだ……

だからきっと……もし俺が反対しても産むつもりなんだろ?

「そうだよ……私は本心だけで言うと凄い産みたい……だって……私の子どもだもん……私がお腹痛めて産めるんだもん……その子にママって言われるんだよ……?最高じゃん……」

咲羅はいつか言ってた……

子どもって素直だからかわいいって……

誰も濁った子なんていない……大人とは全く違うってね……

「でも……海斗は私に子ども産んで欲しくないんでしょ!?だったら私……きっと海斗に言われて落とすと思う……」
「なんで……?」
「だって……海斗だけなんだもん……信じれるの……海斗に何されてもきっと私は海斗しか信じれない……それくらい重要だから……海斗に嫌われるなら子どもだって落とす!!……もう落とすから……もう決めたから……お願いだから……私から消えないで……」

そういって泣きじゃくる咲羅をギュッと抱きしめる。

「大丈夫だから……消えないから……心配すんな……」

そう言って咲羅の頭を撫でた。

「でも……そんなこと言ってもね?……やっぱり子どもの顔みたいんだ……しかも海斗との子どもだよ?もう二度と出来ないかもしれないのに……落とせって言われても……素直に出来ないかもしれない……」

咲羅はやっと俺に手を回してくる。

やっぱり咲羅は子どもが欲しいんだ……

でも経済的に考えて……俺だけで支えて行けるのか……?

「それにね?私子どものこと凄い産みたいけど……海斗がこの子どもを取って私と結婚するのは……ちょっとヤダな……」
「ふ、なんで?」
「だって……私より赤ちゃんのほうが重要なんでしょ?……それはヤダよ……」

だんだん語尾が小さくなって行く咲羅。

かわいいな……

やっぱり俺……咲羅しか愛せねーわ……

「咲羅?」
「ん?何?」

咲羅を体から離して咲羅の目をしっかりと見る。

「結婚しようか……」