ーガチャ……

私は恐る恐る目を開ける。

「っ……」

そこには陽性……つまり私は妊娠している確率が高い……

「嘘……」

私はそのままベッドに横になってただひたすら泣いた。

別にお腹にいる子を恨んでいる訳じゃない……。

むしろ女の子として嬉しいことなのに……

私……まだ22だよ……?

仕事だってあるし……

やりたい事だってある……

そんな中この子を産んだら……この子を私と同じ目に合わせちゃうよ……

それに……思い当たるのは海斗しかいないし……

海斗最近仕事転職したばっかりなのに……

いろいろ不安が募って私はそのまま眠りについてしまった。

___________

その日私の家には奈未と夏恋が泊まりに来た。

奈未だってたくさん悩んでるんだ……。

しかも私まだ陽性だったけど……病院行かないとわからないし……

よし、明後日の撮影終わったら病院に行こう。

そう決めて私はまた深い眠りへと落ちた。

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撮影当日。

私は全てが順調に行っていた。

「よーし、休憩」

休憩に入るとマネージャーが私の元にやってきた。

「今NANAさんが来てるけど?」

奈未……?

「わかった……今行く」

私は奈未の元に向かった。

そこで聞いたのは私と海斗の関係がバレているということ……

それって……もし私が妊娠してるって社長知ったら……?

私は益々不安が大きくなってきた。

その時……

いきなり頭が激しい痛みに襲われた。

まるで堅い石を投げられているような……

「咲羅?大丈夫?」

奈未が心配そうに私を見つめる。

「あぁ……」

そう答えたがどんどん意識が遠くなっている。

奈未の顔が歪んできた。

ーバタッ

私はそのまま意識を手放した。

「咲羅!?」

最後に聞こえたのは……奈未の焦った私を呼ぶ声……