海斗の試合が終わって春樹が出てきた。

「あ、春樹の顔がキモイくらい笑ってるぞ……あははは……ウケるー」

咲羅がお腹を抱えて笑っている。

「そうかなー?」

私はかっこいいと思うんだけど……

だって好きな人の楽しそうに笑っている顔とかキュンとするよね?

って……!!

私何言ってんの!!

春樹はピョンピョン跳ねてスタートを待っている。

「ピーー」

試合がスタートした。

先輩が春樹にボールをパスすると春樹は目では追いつかないほど速くドリブルをしながら先輩を次々抜かしていきゴールにボールを入れた。

「す……ご……」

私は言葉にならないくらい驚いた。

「あはは……春樹体なまってんな……」

咲羅が笑いながら言った。

「えっ!?あれで体なまってんの!?」

あんなにすごいのに!?

「ああ、きっとな?昔はもっとすごかったし……だからちょっとなまってるんじゃね?」

春樹ってそんなにすごいんだ……。

もう一度春樹のほうを見ると攻めだけではなく、守りも春樹は堅かった。
先輩がシュートを入れようとするのを阻止して、再びゴールまでボールを持っていく。

私は目がうろこになってそのまま固まってしまった。

結局春樹のいるチームは相手チームに1点もあげずに圧勝した。