[完]バスケ王子に恋をして。

「キャー!!!!」

体育館から黄色い声が聞こえた。

「うるせーな!!」

咲羅が体育館に着く前に叫んだ。

「咲……羅……」

その姿はまるで男のようだった。

「かっこいい……」

……はっ!!

思わず言ってしまった。

「は……?」

咲羅がきょとんとした目でこっちを見ている。

「い……行こ?」

扉を開けて咲羅を中に押し入れた。

「うわー」

そこにはちょうど試合をしている汗を流して笑っている海斗の姿があった。

「おぉー……海斗上手いんだな」

咲羅が開き直ったのか海斗を見て興奮している。

先輩と思われる人を次々と抜かしてシュート。

その姿は昔と変わらないバスケに燃える海斗がいた。

「変わらないなー」