「奈未ちゃん大丈夫かい?」

私が崩れてたまま動かないでいると社長が心配して来たのかいつの間にか私の横に座っていた。

「大丈夫です……あの……すいません……こんなことになってしまって……」
「大丈夫……奈未ちゃんのせいじゃないよ……人は誰でも恋をするものさ……僕だって妻がいるしね……だから二人を無理やり引き離そうとはしないよ……でも圧倒的に仕事に支障が出るだろう……仕事をとるか彼を取るかは奈未ちゃん次第だよ」
「はい……」

その後私達は社長室に戻って春樹を待った。


ーコンコンッ

しばらくすると社長室のドアをノックする音が聞こえた。

「どうぞ」
「失礼します。社長、お客様がお見えになりました」
「通してくれ」

社長がそういうと春樹が汗だくで入ってきた。

「初めまして。赤織春樹と申します」

春樹は息を整えながらペコッと頭を下げる。

「行儀よくありがとうね。さぁ、奈未ちゃんの横に座って」

社長がそういうと春樹は私の横にストンと座った。

「走ってきたの?」
「あぁ……なんか奈未が危ない気がして……」

そんなことないのに……。

「君に見せたい物があるんだ」

そういって社長は例の写真を春樹に見せる。

「っ……!!これ!!」

春樹は驚いて目を丸くしている。

「張り込んでいた記者に撮られたようでね……まぁ、うちとしてはあまりいい記事ではないんだが……」
「すいません……俺の不注意で……」
「いや、赤織くんのせいじゃないんだ……でもこれが記事となれば奈未ちゃんにとって仕事の支障になるし、君だってバスケ界の有名なエースなんだから仕事に影響が出るだろう……でも僕は二人を引き離したりしないよ?これは二人の問題だからね……しかも一回距離を置いてるなら離れたらどれ程つらいかお互いわかっているだろう……」

社長は私達を交互に見ながら話す。

「僕が言えることは以上だ。今後どうするかは二人で話し合いなさい。仕事を取るか愛を取るかはどちらでもいい……でもこちらからは何も言わない。これは記事に出ることはどうしょうも阻止出来ない。関係を認めるか認めないかは二人で決めなさい」

そういって社長は出て行ってしまった。