「じゃ、二人の元に帰るか」
「うん……」

俺達はリビングに戻ると……

二人ともソファーで爆睡。

咲羅は海斗の肩に寄り掛かってるし……。

「絶対こいつらいちゃいちゃしてただろ……」

結局ソファーは占領されてるので俺達は床に座ってDVDを見た。



____

「あ、うちもう帰らなきゃ……」

もう時刻は12時過ぎ……。

明日仕事あるって言ってたしな……。

「おい、咲羅起きろー。奈未帰るって言ってるぞ」

咲羅を起こそうとすると……

「いいよ、寝かせてあげて?いつも仕事頑張ってるから」

と言われたので俺は奈未と共に家を出た。


「暑いな……」
「うん」
「送るな」
「え?いいよ。夜遅いし……」
「遅いから送るの……襲われたらどうすんだよ」
「大丈夫だよ……」

全然大丈夫じゃねーだろ……。

少なくともNANAが歩いてたら群がるだろ……。

「うわ……」

奈未が体を傾けた。

「ごめん……」
「大丈夫」

それからのしばらくの無言……。

「あ、ここでいいよ」

マンションからちょっと離れたところで奈未がそういった。

「でも……」
「いっぱいマスコミとかいる時あるからここで十分。ありがとね」
「いや……じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」

奈未が後ろを向いて歩こうとした時に自然と手が伸びて俺は奈未の腕を掴んでいた。

「え?……ん……」

俺はそれから奈未にキスを落として奈未に笑い掛けた。

「明日……仕事頑張れよ?」
「うん……ありがと」
「じゃ、またな」
「うん……バイバイ……」

奈未は名残惜しそうに何回も俺のほうを振り返っては手を振って行った。

そして奈未がマンションに入ったと同時に俺は来た道を帰って行った。

……この光景を誰かに見られてるなんて知らずに……。