[完]バスケ王子に恋をして。

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それから取材が終わって車で移動していると……

ープルルル

私の携帯の着信音が鳴り始めた。

手に取って見てみると……

“お兄ちゃん”

え!?お兄ちゃん!?何で!?

私は不思議に思いながらも通話ボタンを押した。

「もしもし」
<お、奈未元気か?>
「うん……元気だよ」
<そっか……ごめんな?ライブ行けなくて>

お兄ちゃんは今結婚していて奥さんの友絵(ともえ)ちゃんって人がいるんだけど、友絵ちゃんは今出産間近でライブの日の前日に陣痛起こしたからお兄ちゃんが病院に行ったから来れなかったんだ……。

まだ友絵ちゃんは出産してないけどね?

「あ、その事なら全然気にしないで!!私より友絵ちゃん大丈夫?」
<あぁ……一応明日予定日だから今病院で大人しくしてるんだけどさ>
「そっか……ならよかった……友絵ちゃんに頑張ってって言っといて」

友絵ちゃん明日ちゃんと生まれてくれればいいね……。

<あぁ、わかった……それでよ、奈未っていつ仕事オフなの?>
「うーんと、確かあと1ヶ月は仕事入ってたはず」
<マジか……大変だな……>
「うん……」

とか言ってるお兄ちゃんはもっと忙しそうだよ。

<じゃ、仕事がオフで3日続いてる日とかあったら連絡くれる?>
「いいけど……なんで?」
<え?友絵が産んだ俺の子供を見たくないのかよ?>
「え!?そういうこと!?なら、喜んで行くからー」
<はいはい、その時ついでに美姫(みき)も見てあげて?美姫凄い奈未に会いたいって騒いでるから>
「本当?じゃ、美姫とも遊ぶかー」

美姫っていうのはお兄ちゃんと友絵ちゃんの最初の子供。

今3歳で私がデビューした日に生まれたんだって。

<それと……見てけよ>
「ん?何を?」
<あいつのこと……>
「……」

あいつって……春樹のことだよね……?

<あいつ……今俺のチームでエースやってんだよ……前とは比べ物にならない位上手いぞ>
「そっか……」

よかった……まだバスケ続けてるんだね……。

<あいつに会ってやれよ……もう待ちくたびれてるぞ?>

そんなに……?

確かに……待たせ過ぎたかな……5年間も会ってなかったんだから……。

<だから……仕事落ち着いたらちゃんとあいつと向き合ってやれ。あいつあれでもめっちゃモテるんだからな?>
「わかってるよ……」

そんなの知ってるよ……。

何回も告白されてるところ見たことあるんだから。

<とりあえず体ゆっくり休ませろよ?>
「うん……ありがと。じゃ、また今度連絡するね?」

そういって私は電話を切った。

「よしっ……」

私はそれから仕事を頑張った。

早く……春樹に会いたいから……。

ちゃんとマネージャーにもオフを3日作ってもらった。

後は私の気持ち次第……。

私はもっと……見違える程強くなれるよ……。

春樹がびっくりするくらい強くなるんだ……。

私は……春樹をドキドキさせるくらい大きな存在になるんだ。

今までの5年間を埋め尽くすくらいに……。

私は……春樹の隣にまた並びたいから……!!