[完]バスケ王子に恋をして。

そこには……パパやママ……夏恋や日向くん、葵や湊など私の知り合いがたくさんいた。

咲羅……同じところに固めたな……

なんて思いながら私は最高の笑顔で手を振った。

そして再び歩き出してアリーナの最前列を見てみて私は一瞬歌詞が飛んだ。

そこには……

サングラスをして腕を組んでいるけど……しっかりわかる……私には……。

一人だけ背か高い人……私はその姿に呆然としているとその人の口元が緩んだ。

そして私に手を上げてサングラスを取った。

その笑顔……全然変わらないね……春樹……。

私はしばらく春樹のことを見てると春樹が

「がんばれ」

そう口パクで私に伝えてきた。

会いたかった……会いたかった……会いたかったよ……!!

今すぐにでも抱きつきたい……でもそれは出来ないから……。

私は必死に涙を溜めて春樹に微笑んだ。

そして私はマイクスタンドの前でしゃがみ込んで泣き崩れた。

すると会場からは「ありがとー!!」という声で埋め尽くされた。

私……

「幸せ過ぎるよ……」

そう呟いてから私は立ち上がり歌を歌い続けた。


歌が終わった後、私はみんなにマイクを使わないで

「ありがとうございました!!」

と叫んでステージを後にした。

ステージ下に行くとスタッフさんがみんな「お疲れ様でした」と声を掛けてくれて私はスタッフ全員に感謝の言葉を伝えた。

楽屋に戻ると咲羅が笑って

「お疲れ、強くなったな」

と言って私を抱きしめてくれた。

私は咲羅の腕の中でワンワン泣きじくった。

「咲羅……ありがと……本当にありがと……」

そういうと咲羅まで泣いていて私達は二人の顔を見て笑い合った。

こうしてNANA初ライブは無事に終わった。

でも……この後何が起こるかはまだわからなかった……。