「奈未ちゃん……って超可愛いんだけど!!」
スタイリストさんが口に手を当ててびっくりしている。
「あ、ありがとうございます」
なんて言えばいいのかわからなかったから一応お礼を言っておいた。
「まずこれに着替えて?」
そういって出されたのはいつもマントの下に来ていた黒いゴスロリのミニワンピース。
今回のライブは最初にいつも通りの服で出て最後の新曲を歌う前に仮面とマントを取る予定になっている。
「わかりました」
私はメイクと髪がぐちゃぐちゃにならないように急いで着替えた。
そしてその後渡されたのは……今までずっと使ってきた全身を覆う黒と赤のマントと顔の鼻から上が隠せるピンクの仮面。
この衣装も最後なんだな……
そうしんみりと思って私はその二つを身に纏って携帯で記念に写真を撮っておいた。
「着替えの衣装は司会が喋っている間に着替えて?衣装は私のところに来たらあるから」
「わかりました」
そんなこんなしていると開演10分前。
「じゃあ……行ってきます」
楽屋に残っている皆さんにそう言うとみんな「頑張って!!」「奈未ちゃんなら出来るよ!!」など励ましの言葉をたくさん掛けてもらった。
そんな皆さんに微笑みかけて咲羅と二人でステージ下に来た。
私はすかさず発生練習を続けてだんだん本気モードに入ってきた。
開演5分前______
だんだんとお客さんからのNANAコールが大きくなってきた。
この先に何人いるのかわからない。
でもこんなに私のことを待ってくれている人がいるんだ……。
私は高鳴る胸を抑えて深く深呼吸をした。
「奈未」
深呼吸をして冷静を保っていると咲羅が話し掛けてきた。
咲羅のほうにを振り返る。
「NANAは偽りじゃない……奈未も偽りじゃない……ここにいるみんなも偽りじゃない。夢を見ている訳じゃない。ちゃんとした現実。わかるか?」
真剣な目で私を見る咲羅。
「うん」
私は深く頷く。
「怖くない。怖いなんて思うな。たとえ失敗してもうちは奈未から絶対離れない。安心しろ。自信を持て」
「うん」
「奈未は一人じゃない。みんながいる。たくさん支えられてNANAが出来てるんだ。それを胸に持ってライブに行って来い」
「わかった」
私がそういうと社長が私の隣にやって来た。
「社長……」
「大丈夫だよ。キミは素のままで歌えばいいのさ。失敗したっていい。泣いたっていい。怪我してもいい。これがNANAの姿だって言うのをちゃんと見せるんだよ?」
「はい」
私が再び咲羅を見ると咲羅はニコッと幼く笑って
「強くなれ」
そういって私に拳を見せた。
その言葉で私はもう泣いてしまうかと思った。
咲羅……ありがと。
そう思って私はニコッと仮面の中で笑った。
「さぁみんな!!お待ちかねのNANAの登場だー!!」
司会の声で一気に歓声が沸き立ち辺りが一瞬にくらくらなる。
そして私は大きく息を吸った。
そして振り返って咲羅と社長に
「いってきます」
そういって咲羅の拳に自分の拳を当てた。
咲羅は私の頭をポンと撫でてからスタッフに合図を出した。
するとどんどん上がっていく床。
その瞬間音楽が流れ出して歓声は益々大きくなる。
さぁ……NANAのライブの始まりだ!!
スタイリストさんが口に手を当ててびっくりしている。
「あ、ありがとうございます」
なんて言えばいいのかわからなかったから一応お礼を言っておいた。
「まずこれに着替えて?」
そういって出されたのはいつもマントの下に来ていた黒いゴスロリのミニワンピース。
今回のライブは最初にいつも通りの服で出て最後の新曲を歌う前に仮面とマントを取る予定になっている。
「わかりました」
私はメイクと髪がぐちゃぐちゃにならないように急いで着替えた。
そしてその後渡されたのは……今までずっと使ってきた全身を覆う黒と赤のマントと顔の鼻から上が隠せるピンクの仮面。
この衣装も最後なんだな……
そうしんみりと思って私はその二つを身に纏って携帯で記念に写真を撮っておいた。
「着替えの衣装は司会が喋っている間に着替えて?衣装は私のところに来たらあるから」
「わかりました」
そんなこんなしていると開演10分前。
「じゃあ……行ってきます」
楽屋に残っている皆さんにそう言うとみんな「頑張って!!」「奈未ちゃんなら出来るよ!!」など励ましの言葉をたくさん掛けてもらった。
そんな皆さんに微笑みかけて咲羅と二人でステージ下に来た。
私はすかさず発生練習を続けてだんだん本気モードに入ってきた。
開演5分前______
だんだんとお客さんからのNANAコールが大きくなってきた。
この先に何人いるのかわからない。
でもこんなに私のことを待ってくれている人がいるんだ……。
私は高鳴る胸を抑えて深く深呼吸をした。
「奈未」
深呼吸をして冷静を保っていると咲羅が話し掛けてきた。
咲羅のほうにを振り返る。
「NANAは偽りじゃない……奈未も偽りじゃない……ここにいるみんなも偽りじゃない。夢を見ている訳じゃない。ちゃんとした現実。わかるか?」
真剣な目で私を見る咲羅。
「うん」
私は深く頷く。
「怖くない。怖いなんて思うな。たとえ失敗してもうちは奈未から絶対離れない。安心しろ。自信を持て」
「うん」
「奈未は一人じゃない。みんながいる。たくさん支えられてNANAが出来てるんだ。それを胸に持ってライブに行って来い」
「わかった」
私がそういうと社長が私の隣にやって来た。
「社長……」
「大丈夫だよ。キミは素のままで歌えばいいのさ。失敗したっていい。泣いたっていい。怪我してもいい。これがNANAの姿だって言うのをちゃんと見せるんだよ?」
「はい」
私が再び咲羅を見ると咲羅はニコッと幼く笑って
「強くなれ」
そういって私に拳を見せた。
その言葉で私はもう泣いてしまうかと思った。
咲羅……ありがと。
そう思って私はニコッと仮面の中で笑った。
「さぁみんな!!お待ちかねのNANAの登場だー!!」
司会の声で一気に歓声が沸き立ち辺りが一瞬にくらくらなる。
そして私は大きく息を吸った。
そして振り返って咲羅と社長に
「いってきます」
そういって咲羅の拳に自分の拳を当てた。
咲羅は私の頭をポンと撫でてからスタッフに合図を出した。
するとどんどん上がっていく床。
その瞬間音楽が流れ出して歓声は益々大きくなる。
さぁ……NANAのライブの始まりだ!!