目を覚ますとそこにはたくさんのビルが建ち並んでいた。

乗り過ごした!?

そう思ってあたふたしていると

ー東京駅に到着致しました。

またもアナウンスに救われた。

俺は急いでホームを駆け出して外に出てすぐにタクシーを拾った。

奈未のいる病院の名前を言って俺はタクシーの中でいままでの事を振り返っていた。

俺達はどんなにつらいことがあっても……お互いを思い合っていた……。

だから絶対に大丈夫だって俺の頭に言い聞かせていた。



いつの間にかタクシーは病院についていて俺は走って病院の中に入って行った。

エレベーターをに乗って奈未がいる階のボタンを押す。

奈未……

俺謝りたいことがたくさんあるから……聞いてくれよ……。

ーチン

ドアが開いてエレベーターから出た瞬間……

「いやぁーーーーーーーー!!」

悲鳴に近い叫び声が聞こえた。

この声は……奈未……!?

急いで奈未の病室のほうに走っているとうずくまって座っている奈未を必死に抑えている看護師さんがいた。

「奈未!!」

俺は急いで奈未に駆け寄る。

「大丈夫か!?」

話し掛けてもうずくまったまま……。

一体……何があったんだ……!?

「春樹さん?」
「え?」

看護師さんに名前を呼ばれて看護師さんを見る。

「あなたが春樹さん?」
「そうですけど……」
「……ならよかった……」

え……?

「藤峯さん病室に戻りましょう?」
「……いや……」

奈未の声は弱々しく震えていた。

「どうして?もう行きましょう?」
「いやぁ……春樹に会わないと行けないの!!……離して……」

俺に会う……?

どういう意味だ……?