ーガラガラッ

点滴と一緒に病室から出る。

「ちょ、藤峯さん!?どこに行くんですか!?走ったらダメです!!」

私の後を看護師さんが追いかけてくる。

でもそんなのお構いなしに私は走り続ける。

「藤峯さん!!」

看護師さんが私の腕を掴んだので体が一気にバランスを崩れした。

ーキャア!!

点滴と共に床に倒れる。

前に進もうと思っても看護師さんがいるから動けない。

「いや!!離して!!」
「ダメです!!藤峯さん病室に戻りましょう」
「いやぁ!!離して!!離してよ!!私行かないといけないの!!」
「ダメです!!安静にしていないと退院出来ませんよ!!」
「退院なんてしなくていいから!!早く私を離して!!離してよ!!春樹に会わないと行けないの!!離して!!」
「ダメなの!!お願いだから私の言う事聞いて?」
「いやぁ!!ヤダヤダ!!春樹待ってるの!!離して!!いやぁ!!」

私はその場で泣き崩れた。

「いやぁ……行かないと……春樹が待ってるのぉー……」

いくら訴えても看護師さんは離してくれなさそう。

「うぅー……グスッ……春樹……春樹ぃ……春樹……うぅ……っ……春樹ぃ……」

ねぇ……どうして運命は残酷なの……?

私達は出会ってはいけない存在だったのかな……?

神様っているの……?

こんなに私達を引き裂いておもしろい?

神様は私達を見て……嘲笑っているんでしょ?

「春樹ぃ……」

私……約束守れないよ……。

ごめんね……?

でも……私今凄く……あなたに会いたい……。

会いたいより……あなたしか……いらない……。

「いやぁーーーー!!」

私は無我夢中でその場で現実を恨むように叫んだ。