[完]バスケ王子に恋をして。


「奈未!!」
「ママ!!」

ボーっとしているとママが息を上げて入ってきた。

「ママ大丈夫?」
「大丈夫よ……記憶が戻ったって本当?」
「うん!!本当だよ」
「そっか……つらくない?」
「え……?つらいって何が?」
「春樹くんのこととか……」
「春樹?だって春樹は私の彼氏でしょ?」
「え……!?」

びっくりした顔で私を見るママ。

「え?だってそうでしょ?事故に遭う前まで一緒にいたし」
「そーだけど……海斗くんは?」
「なんで海斗?海斗って事故の時にいたっけ?」
「そーいう意味じゃなくて……」

何……?ママの言っている意味がさっぱりわからない……。

「まだ全部記憶取り戻してないのね……」
「え?」
「奈未。あなた事故に遭った日わかる?」
「え……?……いつだっけ?」
「夏恋ちゃんのこと夏恋さんって言ってたの覚えてる?」
「え?嘘ー私が?夏恋を?ないない!!なんで私が夏恋にさんなんてつけるの?気持ち悪いからー」
「ほら、やっぱり……」
「え?」
「奈未やっぱり記憶取り戻してないよ」

え……?

記憶取り戻してない……?

「え?何?私何を思い出せてないの?」
「……事故に遭った後の記憶」
「事故に遭った後の……記憶?」

何それ……。

だって私……事故に遭ってすぐ運ばれてきてさっき本調子に戻ったんじゃないの?

「とにかく……普通ならこれが普通なのかもしれないけど……奈未は思い出さないと……自分がつらくなるよ?」
「え……?」
「じゃあお医者さんに見てもらいなさい?」
「うん……」

ママは出て行ってしまった。

「何……それ……」