[完]バスケ王子に恋をして。

「あー!!凄かったわー……!!ねぇ奈未って……奈未?」

不思議そうに私を見つめる夏恋さん。

だって私は泣いているんだから……。

「私……わかっちゃいました」
「え……?」
「記憶は戻ってないけど……私春樹のこと好きです」

夏恋さんは目を丸くして驚いている。

「過去も……今も……わかっちゃったんです……この気持ち……体がそう言ってるんです」

夏恋さんは日向さんと私を交互にみて複雑そうに見ている。

「でも何ででしょうかね……凄く……胸が……痛いんですよぉ……」

私はその場で泣き崩れていた。

なぜ泣いているのかわからなかった……。

だけど……早く記憶が戻って欲しいっていうのと……夏恋さんが私を抱きしめてくれていることだけがわかった。

「何で……記憶障害なんて……なっちゃったんだろう……もう嫌だよ……全て知りたいよぅ……」
「そうだね……私にはその苦しみはわからないけど……私も奈未には記憶が戻って欲しいよ……」

夏恋さんは素敵な人だなって改めて思った。



この日から私は変わってしまったんだ。

何もかも……。

誰にも会いたくなくなった……。

ただ……会ったら記憶が戻らない気がして……。

怖くて……会いたくなかった。

ボーっとしているとふと指の指輪が気になった。

そっと指輪を外してジーッと見てみる。

「……ん?」

するとある文字が目に入った。

“N&H”

「H……?」

海斗って……Kだよね……?

なんで……?

不思議に思ってまた転がすと

“0903”

え?

……今日?

カレンダーを見てみるとやっぱり今日で……。

「何……どうして……?」

いろいろ考えていると

ーガンッ

「う″……」