[完]バスケ王子に恋をして。

「……ん……?」

目を開けるとそこにはお兄ちゃんとママが私の隣で寝ていた。

「よいしょっと……」

私は体を持ち上げてベッドに座る。

二人とも疲れているんだろうな……。

なんて思いながらママの髪を触る。

「わっ……ふわふわ……」

ママの髪は40代だとは思えないくらいサラサラでふんわりと甘い香りした。

っていうかママは40代に見えないくらいキレイなんだけどね?

なーんて言ったら調子乗るから秘密にしておこう。

「……ん」

クスクス一人で笑っているとお兄ちゃんがうっすらと目を開けた。

「あ、起こしちゃった?」
「別に?……何やってんの?」

ママの上に置いている手を見て目を細めるお兄ちゃん。

「サラサラだなーと思って」
「……変態か」
「な!!違うし!!」
「……ん……」

あ……大きな声出しちゃったからママ起きちゃった……。

「おはよ」
「……んぁ!?ママ寝てたの!?」
「そーだよ」
「もー……起こしてよー」

いや、気持ちよさそうに寝てたから……。

「あ、そうだ奈未?」
「ん?何?」
「話があるの」

そう言ったママの目は真剣でいつになくゾッとした。

「……何?」
「奈未……今の自分の体どう思う?」
「え……?……どう思うって……」
「特に記憶のこと。思い出しそう?」
「んー……記憶はまだ戻ってない。だけどなんとなくは思い出してきてるんだ」
「……なんとなくって……?」
「ボワーッとね。この人とは深い関係があったとか……本当になんとなく」
「そっか」
「夏恋さんが言ってたんだ。衝撃的なことが起きたらきっとすぐ記憶は戻るって」
「衝撃的なこと……?」
「私にもよくわからない。でも記憶を思い出すまであとちょっとだろうって」
「そっか……よかった……」

安心したようにちょこんと座るママ。

「あのね……」

するとママは口を再び開いた。

「私……今のままじゃ記憶戻った時奈未つらいと思うんだ」
「え……?どうして?」
「それは……言えないけど……きっと奈未は自分を攻める」

自分を攻める……?

「だから一度……3人で話し合ったほうがいいと思うの」
「3人って……?」
「奈未と海斗……それと春樹の3人で」

ママの代わりにお兄ちゃんが教えてくれた。

「え……?どうしてそのメンツ?海斗はともかく……何で春樹が……」
「とにかく話してみないとわかんないから話してみろ」
「う、うん……」

よくわからないけどとりかえず頷いておく。

ーコンコン

「はーい」
「よっ……ってこんばんは」

入ってきたのは海斗。

「じゃ、これで私達は……じゃーね」

そう言って二人は出て行ってしまった。