「……今回のことでお前を認めた訳ではない……でもさっきはやりすぎた……ごめん」

竜基さんが俺に謝った……?

「な、何やってるんですか!?謝んないでぐたいさよ!!対応に困ります!!」
「そっか……」

竜基さんは俺に笑顔を見せた。

それはやっぱり奈未に似ていて……何だか羨ましかった……。

「ま、海斗が俺の代わりに見張ってくれるから心配しないけど……」
「何で俺が入ってんだよ……」

いつの間にか隣に来ていた羽切。

「ま、竜基くんいない時に見張っとくけど……竜基くん今のうちだと赤織に負けるんじゃないっすか?」
「あ″!?何だと!?もう一回言ってみろ!!」

それから竜基さんと羽切は走ってどこかに行ってしまった。

「春樹お疲れ」

近くに寄ってきたのは日向と夏恋ちゃん。

「奈未よかったね」
「……うん!!」

奈未と夏恋ちゃんは二人で花を咲かせている。

「ま、今回は仕方ないだろ……怪我してんだし」
「あぁ……」
「悔しいってのも思うかもしれな「春樹ー!!」

日向の声を遮ったのは涙でぐちゃぐちゃな咲羅。

……つか、どした!?

「咲羅!?どーしたの!?」

急いで駆け寄る奈未。

その様子を見て日向と夏恋ちゃんは苦笑いしている。

「どーしたの!?じゃねーんだよ!!もぅ……お前ら何なんだよ……」
「俺ら何かしたか?」
「そー!!春樹!!お前何な訳!?」
「は!?」

何でキレられてんだよ……

「マジ感動するからやめろって!!」
「は!?意味わかんねーし!!」

俺らの行動を見てクスクスと笑っている日向と夏恋ちゃん。

……何がおもしろいんだよ……。

奈未は……その場でフリーズしてた……。

俺らやっぱりバカみたいにおもしれー……。

さて、奈未を連れてどっか行ってくるか……。

俺は奈未の手を取って歩き出した。

「おい!!春樹どこに行くんだよ!!まだ部活だぞ!!」

遠くで日向の声がする。

「俺ら今日パス」

そういって俺らは体育館から出た。