[完]バスケ王子に恋をして。

「奈未ー!!」
「うわ!!」

教室に入った瞬間思いっきり抱きしめられた。

「あ″ーよかったー……何か遭ったかと思っただろーが」
「あ、ごめん。私連絡してなかったもんね……」
「本当!!これからはちゃんと連絡しろよ?」
「うん、今日はバスに乗り遅れただけだから……」
「へ?海斗もか?」
「うん、毎日一緒に登下校してるか……ら?」

私が話しているのにニヤニヤして春樹のほうを見る咲羅。

「へー……そうなんだ……だって、春樹くん?いいんですか?海斗と一緒にいて」

え!?

咲羅何てこと言ってんの!?

たしかに海斗とはいろいろあるけど……一人で帰るの嫌だし……ってか何で春樹にそんなこと言うの!?

……もしかしてまだ咲羅春樹のこと好きとか……!?

「うっせーな……ある意味助かるだろ?俺が送り迎え行けない距離だし……奈未の身に何かあったら困るしな」
「ほー……だってよ奈未ちゃん?愛されてますねー……」

私をツンと突っつく咲羅。

「な!!そんなことないもん!!」
「悪かったな赤織。朝奈未借りて」

海斗まで……!!

「別に」

なんか素っ気なく外を見る春樹。

……そんなことされたら寂しいじゃん……

「まぁヤキモチ焼くなって、奈未も赤織に会いたがってたしよ」
「へ?え?」
「へー……奈未春樹に会いたかったんだー……」
「な///ち、違うもん!!///みんな大っ嫌い!!」

私は焦る気持ちと速い心臓の鼓動を抑えるように席に着いた。

「えー……そんなに怒んなよ……」

っていっても後ろ咲羅だった……。

「知らないもん」
「……奈未」

ードキッ

いきなり名前を呼ばれてびっくりした。

……いや、一番聞きたかった声だったから胸が高鳴ったのかもしれない……。

「何?」

私は平然を保って机にバッグを掛けながら振り向かないで手を進める。

「こっち向けよ」
「……」

私はその言葉で自分の手を止める。

そんなこと言われたら振り向くしかないじゃん……。

「……何?」

私は心臓の鼓動とは逆にゆっくりと後ろを向いた。

するとそこにはさっき素っ気なかったとは思えないくらいの輝かしい瞳で私を捕らえる。

彼はフッと笑って私の頭をポンと撫でながら

「はよ」

と言った。

「お、おはよう///」

きっと私の顔は茹でダコみたいに赤くなっているんだろう……。

やっぱり春樹って優しい……。

と思っているのもつかの間で……

「奈未ずっと俺のこと考えてたんだ?」

そういって片方の口角を上げて朝の海斗みたいな顔になっている。

「ち、違うもん///」
「本当?素直になんなきゃダメだよー?」

私の顔を覗き込んでくる春樹。

「こ、これのどこが素直に見えないのよ?」
「ふーん……俺は奈未のこと考えていたのに空回りか……」

……///。

私はいつになったらこの人に殺されなくなるんだろう……。