ー「奈未……好きだよ?」
「私も……」
「じゃあ……この後楽しいことでもする?」
「え……?キャー!!」

どうしよう!!私……このまま春樹と……!!

「奈未!!いつまで寝てるの!?また海斗くん待たせて!!何時だと思ってるの!?」

私は雷みたいな怒鳴り声で目を覚ました。

……あれは……夢!?

私なんて恥ずかしい夢を……!!

もしあれを誰かに見られたら……!!

「奈未!!いつまでそうしてるの!!もう8時過ぎよ!!海斗くん来てるじゃない!!」
「え……!?8時!?ヤバ!!」

急いでベッドから飛び降りて制服に手を掛ける。

「ったく……海斗くんに待っててって言っとくわよ?」
「うん、ごめん」

ママは私の部屋から出て行って私はくしで髪を整える。

……なんか……海斗に会いたいような会いたくないような……。

そんなもやもやな気持ちになりながら私は急いで階段を駆け下りた。


「いってきます!!」
「あ、奈未」

玄関から出ようと思ってたらママに呼び止められた。

もう……!!急いでるのに……!!

「何?」
「今日竜基帰ってくるから早く帰ってきなさいよ?」

え……?

「本当!?お兄ちゃん帰ってくるの!?」
「嘘つかないわよ……」
「わかった♪じゃ、いってきまーす!!」
「いってらっしゃい」

私はテンションを高くして外に出た。

……でもそれは一気にダウン……。

だって目の前には……

「海斗……」

私はその場で硬直した。

「よ、つか起きるの遅すぎ」
「ごめん……」

目も合わせられない……。

どうしよう……

このまま海斗とこんな関係が続いたら……

そう思うと私の目に涙が溜まってきた。