[完]バスケ王子に恋をして。

「……は?」
「俺とお前はバスケのライバル、そんな奴に奈未をとられるなんて嫌だったんだろ?」
「……」
「俺さ……羽切が一匹狼な理由大体わかるんだよな」
「なんだよ……」

羽切は若干俺を伺いながら聞いてくる。

「奈未を一人で独占したいから……だろ?お前と誰かが一緒にいてそいつが奈未を奪っていくのが怖いから……本当に奈未のことを大事にしてるからだよな?」
「……」
「だから……今回のことはやり過ぎた……これはちゃんと奈未に謝らないとダメじゃねーの?」
「……何でお前まで……」

悔しそうな声で俺を睨む羽切。

「……何でお前まで俺から何でも奪ってくんだよ!!お前にはわからねーんだよ!!孤独が!!俺が孤独だった時には必ず奈未がいた……なのに……!!何で奈未を奪ってくんだよ!?」
「奪うつもりなんてないけど?」
「……は?」
「奈未とお前は幼なじみ、その関係は変わらないだろ?お前と奈未の関係は以前に戻るだけだ」
「でも……どうせ奈未はお前のところに「そう思うだろ?隣にいるのには変わらないけど自分の傍にいる時間が短くなる……そしたら俺はまた孤独になる……そう考えてんだろ?……そんな解決方法なんて簡単だろ……」
「解決方法ってなんだよ」
「俺が傍にいてやるよ」
「……え……?」
「俺がこれからお前の傍に……バスケのことだってお前がいないと楽しくねーしな?俺が傍にいてやるよ?奈未だって傍にいてくれるさ……咲羅も日向も夏恋ちゃんも……お前の周りには沢山人がいるだろ?だから大丈夫だ」

そう言った時には羽切の目から雫が一つ……二つと落ちていった。

「奈未に……ごめん……そして幸せになれよって言っといてくれねーか?」
「別にいいけど?」
「……赤織」
「あ?」
「奈未を幸せにしてやってくれよ?絶対……」
「ああ……」

そして俺たちはお互いにニカッと笑った。

ーダンッ!!

勢いよく教室のドアが開いた。

「おい!!奈未!!」
「もう嫌!!咲羅……私帰る!!」

そういって奈未は勢いよく教室を飛び出て行った。

「おい、春樹追いかけねーのかよ!?」

咲羅が焦ったように俺に怒鳴りつける。

「これも想定内……咲羅は奈未を引き止めててくれ」
「わかった!!」

俺は羽切の体を起こしてからある部屋へとダッシュで向かった。

羽切が「ありがとな……」と呟いているのも気づかずに……。