「やめてよ!!」

私は海斗の唇をこの間より強く噛んだ。

私は海斗にキスをされていた。

「痛ってーな……」
「最低……!!」

私の目からはさっきの倍の量の涙が出てきた。

「俺は奈未に最低と言われ続けても俺はやめない……」

こんな海斗……見たことない……。

私の前にいるのは……誰……?

「海斗のバカ!!もう顔も見たくない!!」
「そんなこと奈未に出来んのかよ?お前の大切な人だぞ俺は」
「そんなの撤回!!こんなことするなんて最低!!しかも……2回も……!!」
「何?二回くらいでグダグダ言ってたら奈未ストレスで倒れるんじゃねーの?」

バカにしたように鼻でふっと笑う。

その瞬間私は思い出してしまった……。

ー「私絶対春樹以外の人とキスしない!!」
「逆にされたら困るんだけど」

……どうしよう……私……春樹との約束破っちゃった……。

「春樹との……約束……」
「は?なんだよそれ」

段々海斗にイライラしてきた。

いや、約束を破った自分に対してかもしれない。

「春樹と……約束したのに……!!海斗のせいで……どうしよう……!!私……春樹に会えないよ……!!」
「だから俺のほうがいいって言ったのに」
「ふざけないで!!もう別れてよ!!海斗の顔なんて二度と見たくない!!早く別れてよ!!」

私は泣き声を挙げながら叫んでいた。

「それはヤダってさっき言っただろ?」

本当にありえない……!!

「海斗何か大っ嫌い!!登校も別にするから!!私の前に現れないで!!」

そういってから私は空き教室をダッシュで出た。

そして廊下の途中で崩れ落ちた。

「うぅ……ごめんなさい……ごめんなさい……」

私はそこで春樹に対して何回も泣きながら謝り続けた。

決して涙は枯れることはない……。